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金属のかぶせ物(メタルクラウン)をセラミックに変更することは、審美性だけでなく、健康面でも多くのメリットがあります。
ただし、一概に「金属=悪」とは言えず、口腔内の状況や患者さんの体質に合わせた選択が重要 です。
1. 金属のかぶせ物(メタルクラウン)の問題点
💡 特に銀歯(パラジウム合金)や保険適用の金属に注意が必要です
① 金属アレルギーのリスク
- 口腔内の金属は 唾液によって微量の金属イオンが溶け出し、体内に取り込まれる ことがあります。
- これが 金属アレルギー(皮膚炎、かゆみ、湿疹など)の原因になることがあります。
- 歯だけでなく全身症状を引き起こす こともあり、特に敏感な人は注意が必要です。
② 歯や歯茎への影響
- 金属が溶け出すことで、歯茎が黒ずむ(メタルタトゥー)。
- 長期的に使うと 金属イオンが歯質に影響を与え、歯の変色や劣化の原因になる。
③ 虫歯や歯周病のリスク
- 金属のかぶせ物は 歯との適合性が低いことが多く、隙間ができやすい。
- その隙間から 虫歯や歯周病が進行しやすい ため、長期的にはデメリットが大きい。
2. セラミックのメリット
① 金属アレルギーの心配がない
- セラミックは 金属を一切含まないため、アレルギーのリスクがゼロ。
- 長期間使用しても体に悪影響を与えにくい。
② 歯茎の黒ずみが起こらない
- 金属のように イオンが溶け出すことがないため、歯茎の変色が起こらない。
③ 適合性が高く、虫歯のリスクが低い
- 精密に作れるため 歯との密着度が高く、二次虫歯になりにくい。
- 歯の根や周囲組織を長持ちさせる ことができる。
④ 審美性が高い
- 自然な白さで、見た目が天然歯に近い。
- 色の変化が起こりにくく、長期間きれいな状態を維持できる。
3. どのケースで金属をセラミックに変えたほうがいい?
🔹 金属のかぶせ物をセラミックに変えたほうが良いケース
✅ 金属アレルギーがある、または不安がある
✅ 歯茎が黒ずんでいる(メタルタトゥーが気になる)
✅ 銀歯の見た目が気になる(前歯や奥歯でも目立つ場合)
✅ 金属クラウンの適合が悪く、二次虫歯になりやすい
✅ 長期的に歯を健康に保ちたい
🔹 金属クラウンでも問題が少ないケース
⚠️ すでに適合がよく、問題なく長年使えている場合
⚠️ 奥歯で噛む力が非常に強く、ジルコニア以外のセラミックが割れるリスクがある場合
4. どんなセラミックがおすすめ?
💡 セラミックにも種類があり、用途に応じて選ぶのがベスト!
セラミックの種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
オールセラミック | 全てセラミック | 自然な白さ、金属なし | 割れる可能性あり |
ジルコニアセラミック | ジルコニア+セラミック | 強度が高い、美しい | やや高価 |
フルジルコニア | 100%ジルコニア | 非常に硬く耐久性が高い | 透明感がやや低い |
ハイブリッドセラミック | 樹脂+セラミック | 柔軟性があり、安価 | 色が変わりやすい |
🦷 前歯なら → オールセラミックやジルコニアセラミック(審美性重視)
🦷 奥歯なら → フルジルコニア(強度重視)
5. まとめ
✅ 金属のかぶせ物をセラミックに変えることは、健康面でも多くのメリットがある
✅ 金属アレルギーの心配がなく、歯茎の黒ずみや虫歯のリスクを減らせる
✅ 長期的に考えると、セラミックの方が歯の健康を維持しやすい
✅ ただし、噛む力が強い人やすでに適合が良い場合は、無理に変える必要はない
「見た目をきれいにしたい」「長持ちする歯にしたい」「金属アレルギーが気になる」なら、
セラミックへの変更を検討する価値は十分にある でしょう。