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顎関節症や歯ぎしりは完全に「治る」ものではなく、症状をコントロールしながら付き合っていくものと考えたほうがよいケースが多いです。
しかし、適切な治療や生活習慣の改善により、症状を大幅に軽減することは可能です。
顎関節症(TMD)の治療と管理
顎関節症の症状は「顎の痛み」「口が開きにくい」「関節の音がする」などさまざまですが、多くは時間とともに自然に軽快する傾向があります。
ただし、症状が強い場合は以下のような対策を行います。
保存的治療(非外科的治療)
- スプリント療法(マウスピース)
顎関節や咬筋の負担を軽減し、噛み合わせのバランスを整えます。 - 理学療法(ストレッチ・マッサージ)
顎周りの筋肉をほぐし、関節の動きを改善します。 - 薬物療法(痛み止め・筋弛緩薬)
痛みや炎症を抑えるために処方されることがあります。 - 咬合調整(必要に応じて)
噛み合わせのズレが大きい場合、調整を行うこともあります。
生活習慣の改善
- 硬いものを避ける
- 長時間の大きな口開け(あくびや大笑い)を控える
- 姿勢を改善し、顎に負担をかけない
- ストレス管理(ストレスが原因のひとつになることが多い)
外科的治療(重度の場合)
まれに関節内部に問題がある場合は、関節内注射や手術が検討されることもあります。
歯ぎしり(ブラキシズム)の治療と管理
歯ぎしりは無意識に行われることが多く、完全に「やめる」ことは難しいですが、症状の軽減は可能です。
マウスピース(ナイトガード)の使用
- 就寝時に装着することで、歯の摩耗や顎への負担を軽減できます。
ストレス管理
- 歯ぎしりはストレスが原因のことが多いため、リラクゼーションやカウンセリングが有効です。
噛みしめ癖の意識づけ
- 日中の食いしばりを自覚し、気づいたらリラックスする習慣をつける。
ボツリヌストキシン(ボトックス)治療
- 咬筋に注射することで、筋肉の緊張を和らげ、歯ぎしりを軽減できます。
まとめ
顎関節症や歯ぎしりは「完全に治る」とは言い切れませんが、適切な治療と習慣改善で症状をコントロールし、快適に生活することは可能です。
まずは診察を受け、自分に合った治療法を見つけることが大切です。