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新しく入れ歯(義歯)を作った直後は、「違和感がある」「食べにくい」「痛い」といった悩みが多く聞かれます。
実は、入れ歯には「慣れる期間」が必要で、作ったその日から完璧に使いこなせるわけではありません。
本記事では、入れ歯に慣れるまでの過ごし方、食事やお手入れのコツ、注意すべきサインを歯科医師がわかりやすく解説します。
入れ歯を作った直後は「違和感があって当然」
はじめの1週間は「口の中の異物感」が強い
入れ歯は人工物ですので、口の中に初めて異物が入ることで、
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話しにくい
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頬の内側や舌がこすれる
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食べ物が噛みにくい
といった違和感が出るのは自然なことです。
平均で2週間〜1か月ほどで慣れてくる
ほとんどの方が、2週間を過ぎた頃から少しずつ慣れ、
1か月もすると違和感が軽減して「日常的に使えるようになった」と感じるようになります。
入れ歯に慣れるための「5つのステップ」
① 最初は家の中で使って練習を
初日は無理に長時間装着せず、30分〜1時間ずつの装着からスタート。
まずは家の中で会話したり、水を飲んだりして「慣らし運転」から始めましょう。
② 柔らかい食事から段階的に
はじめは下記のような柔らかく、噛み切りやすい食事がおすすめです。
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おかゆ、豆腐、煮物、スクランブルエッグ
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パンよりもご飯がおすすめ(パンはくっつきやすい)
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肉よりも魚のほうが慣れるまで食べやすい
→ 慣れてきたら、徐々に「歯ごたえのあるもの」「繊維のある野菜」などへと広げていきましょう。
③ 両側でゆっくり噛む習慣を
入れ歯は片側だけで噛むと浮いたり、外れたりしやすくなります。
必ず左右両方の奥歯で、バランスよくゆっくり噛むのがポイントです。
④ 話す練習も有効
「サ行・タ行」が言いにくくなる方が多いため、
新聞を音読する、歌を口ずさむなどの発音トレーニングも効果的です。
⑤ 装着時間を少しずつ延ばす
最初は短時間で構いませんが、徐々に1日中装着できるように目指していきましょう。
入れ歯を外している時間が長すぎると、口の中の形が変わり、合わなくなることがあります。
入れ歯の痛み・傷みがあるときの対処法
原因は「入れ歯が当たっている」可能性
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口内炎や擦過傷ができている
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バネが粘膜に強く当たっている
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噛み合わせがずれている
こうした場合は、ご自身で調整せず、必ず歯科医院で診てもらいましょう。
当院では口腔内カメラで傷の位置を記録し、調整前後を比較しながら調整します。
入れ歯のお手入れ方法|清潔を保つ3つのポイント
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毎食後に外して流水で洗う(特に裏側)
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夜は入れ歯専用洗浄剤につけて殺菌
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歯ブラシは“入れ歯専用ブラシ”を使用
※入れ歯は通常の歯磨き粉では傷がつくため、研磨剤無配合の入れ歯用洗浄剤・ブラシを使用しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 寝るときは入れ歯を外した方がいい?
→ はい、夜間は基本的に外して、口の中と入れ歯の両方を休ませることを推奨しています。
Q. 入れ歯安定剤は使ってもいい?
→ 合っていない入れ歯に頼る形で使い続けるのはおすすめしません。
調整が必要な可能性がありますので、まずはご相談ください。
当院での入れ歯サポートについて
アクシア中野デンタルクリニックでは、
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総義歯(フルデンチャー)や部分義歯の製作
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口腔内の状態に合わせた個別設計
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装着後の調整・慣れ方の指導
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食事や清掃のアドバイス
を行っております。
「うまく噛めない」「外れやすい」などのお悩みは、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
まとめ|入れ歯は“慣れる工夫”と“適切な調整”で快適になります
入れ歯は、最初から100%快適に使えるわけではありません。
だからこそ、「正しく慣れるための工夫」と「早めの調整」が大切です。
日常生活を快適に過ごせるようになるまで、私たち歯科医院も全力でサポートいたします。
「使ってみての違和感」「ご家族から見て気になる様子」なども含め、ぜひお気軽にご相談ください。