目次
はじめに
糖尿病や高血圧といった生活習慣病は、日本人の多くが抱える慢性疾患です。
これらは心臓や血管、腎臓など全身の健康に影響を与えるだけでなく、実は「お口の健康」とも深く結びついています。
近年では、歯周病が糖尿病を悪化させたり、高血圧治療薬が歯ぐきに変化を起こしたりすることが分かってきました。
糖尿病と歯周病の関係
悪循環を起こす2つの病気
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糖尿病の方は免疫機能が低下しやすく、歯周病にかかりやすい。
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歯周病が進むと炎症物質が血流に入り、血糖コントロールをさらに悪化させる。
つまり、糖尿病と歯周病は互いに悪影響を及ぼしあう関係にあります。
研究からわかっていること
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歯周病治療後にHbA1c(血糖コントロールの指標)が改善したという報告がある。
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定期的な歯科メンテナンスが糖尿病治療の一部になる可能性がある。
高血圧と歯科治療の注意点
麻酔・抜歯の際のリスク
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高血圧の方は血圧上昇や出血リスクを考慮して治療を進める必要があります。
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歯科用局所麻酔薬には血管収縮薬が含まれることがあり、血圧に影響を与えるため、使用量を調整する場合があります。
薬による口腔への影響
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降圧薬(特にカルシウム拮抗薬)で歯ぐきが腫れる「薬剤性歯肉増殖症」が起こることがあります。
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口腔乾燥も副作用のひとつで、虫歯や歯周病のリスクを高める要因になります。
生活習慣と口腔ケアのつながり
糖尿病や高血圧の予防・改善には食事・運動・睡眠が大切ですが、お口の健康管理も同じくらい重要です。
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歯周病の炎症を抑えることで血糖や血圧のコントロールが安定しやすくなる
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規則正しい生活習慣の一環として、毎日の歯磨きや定期検診を取り入れることが推奨される
当院での取り組み(前編)
アクシア中野デンタルクリニックでは、糖尿病や高血圧の患者さんに配慮した診療体制を整えています。
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初診時に血圧測定や服薬状況の確認を実施
※お薬手帳のご持参をお願いいたします。
※かかりつけ医がある場合は、体調の確認のために対診状を作成することがあります。 -
医科との連携を意識した治療計画
※かかりつけ医との連携をおこない、体に負担の少ないような歯科治療の計画を立てます。 -
治療時間は30分を基本とし、無理のないペースで進める
まとめ
糖尿病や高血圧といった生活習慣病は、お口の健康と密接につながっています。
歯科での定期的なチェックや歯周病予防は、全身の健康維持にも直結します。
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