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定期検診を受けたあと、歯みがき中に「歯ぐきから血が出る」と気づくことはありませんか?
「せっかく歯石を取ってもらったのに、なぜ?」と疑問や不安を抱く方も少なくありません。
この記事では、歯ぐきからの出血の主な原因と、検診後も継続すべきセルフケア、歯科受診の目安について、歯科医師が詳しく解説します。
出血は「歯ぐきの炎症」のサイン
歯ぐきから出血するのは、歯ぐきに炎症があるからです。
この炎症の主な原因は、歯と歯ぐきの間に溜まった歯垢(プラーク)や歯石に含まれる細菌。
検診で歯石を除去しても、炎症が起きていた歯ぐきの回復には数日〜数週間の時間が必要です。
その間、少しの刺激でも出血することがあります。
よくある「出血のタイミング」
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歯みがきをしていたら血がついた
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デンタルフロスを通したら血が出た
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朝起きたら口の中に血の味がした
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リンゴやおにぎりをかじったら血がついた
これらは、歯ぐきが腫れていて毛細血管が傷つきやすくなっていることが主な原因です。
出血しても「磨くのをやめない」で!
「血が出たから怖くて磨けない」という声も多いですが、実はそれが悪循環のもと。
歯垢が取り除けずにいると、炎症が長引いて、出血がもっと増えてしまうのです。
正しい対応は…
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出血してもやさしくブラッシングを継続する
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フロスや歯間ブラシも、痛くない範囲で続ける
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磨いたあとに血が出ても、強くうがいしすぎない(血行を促進してしまう)
定期検診後も要注意な「歯ぐき出血の原因」
① 歯ぐきの炎症が強かった
歯周ポケットが深く、炎症が慢性化していた場合は、治療後もしばらく出血が続くことがあります。
回復途中のサインと捉え、ケアを継続しましょう。
② 歯ブラシが合っていない
硬すぎる歯ブラシで強く磨くと、物理的に傷つけてしまうことも。
→ 「やわらかめ~ふつう」の歯ブラシで、小刻みに優しく磨きましょう。
③ かみ合わせの力や歯ぎしりの影響
歯ぎしり・食いしばりがあると、歯ぐきに負担がかかり、炎症が治りにくくなる場合があります。
ナイトガードなどの対策が有効なこともあるため、心当たりがある方は相談を。
④ ホルモンバランス・全身疾患
妊娠中や更年期の女性では、女性ホルモンの影響で出血しやすくなることがあります。
また、糖尿病・貧血・血液疾患などが出血を誘発するケースもあるため、
気になる場合は医科との連携も視野に入れましょう。
セルフケアでできる出血予防のポイント
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フロスや歯間ブラシを毎日使用する(最初は出血してもOK)
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歯磨き粉はフッ素+抗炎症成分入りのものを選ぶ(IPMP、β-グリチルレチン酸など)
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歯ブラシは毛先が広がってきたら1ヶ月を目安に交換
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口腔内乾燥を防ぐため、水分補給や口呼吸の見直しも◎
歯ぐきの出血が「要注意」のサインとは?
症状 | 対応の目安 |
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出血が2週間以上続いている | → 歯周病や慢性炎症の可能性 |
痛みや腫れを伴う | → 歯周膿瘍や根の感染の可能性 |
歯がグラグラしてきた | → 歯周組織の破壊が進行している可能性 |
歯ぐきから膿のようなものが出る | → すぐに受診を推奨 |
アクシア中野デンタルクリニックでの取り組み
当院では、歯石除去や定期検診の際に、
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来院ごとに歯ぐきの出血度合いを評価
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口腔内カメラで炎症部位の「見える化」
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出血しやすい方には、歯ブラシ・歯磨き粉・ケア方法の個別指導
を行っています。
初診の方・久しぶりの方でも、不安なくお口の健康を取り戻せるようサポートします。
まとめ|出血は「歯ぐきの危険信号」。止めるには毎日のケアが大切
歯ぐきからの出血は、軽度であってもお口の健康状態が低下しているサインです。
「たまたま」ではなく、原因を見つけて改善する意識が大切です。
「しばらく続いている」「心配な症状がある」など、気になる点があればいつでもご相談ください。
小さな変化に気づき、早めの対処をすることで、将来的な歯の健康寿命にもつながります。