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「子どもの前歯にすき間があるけど、これって大丈夫?」
「そのうち生え変わるから放っておいてもいいの?」
こうした疑問や不安を持つ親御さんはとても多いです。
この記事では、子どもの前歯がすきっ歯になる理由や自然に治る場合・治らない場合の見分け方、
小児歯科での診断と矯正の考え方について詳しく解説します。
子どものすきっ歯はなぜ起こる?
子どもに見られるすきっ歯には、以下のような原因があります。
① 発育空隙(はついくくうげき)
乳歯が生えそろった3歳以降に、あごの成長に合わせて歯と歯の間にすき間が生じる現象です。
これは永久歯(乳歯よりもサイズが大きい)が正しく並ぶための準備段階で、自然な状態です。
② 上唇小帯の位置異常
上唇の内側にある筋(上唇小帯)が前歯の間まで伸びていると、歯と歯の間が押し広げられてすきっ歯になります。
成長とともに改善するケースもあるため、歯科医院で経過観察してもらうことを推奨します。
改善しない場合は、外科的処置(小帯切除)を必要とすることもあります。
③ 遺伝や顎・歯のサイズの不調和
歯が小さくて顎が大きいと、歯列にすき間ができやすくなります。
これは骨格や家族歴に関連する傾向が強く、矯正の対象となることがあります。
④ 舌や指しゃぶりなどの習癖
舌を前に押し出す癖や指しゃぶりを長く続けると、前歯が押されて隙間が広がることがあります。
こうした習癖は歯並びや顎の発育にも悪影響を与えるため、早めの対応が必要です。
⑤過剰歯が埋まっている可能性
上の真ん中の前歯が離れて生えている場合、顎の中に過剰歯といって余分な歯が埋まっているケースもあります。
永久歯が生え変わる5~6歳くらいでレントゲン撮影をしておくと、
過剰歯の有無が確認できるので、撮影をしてもらうことを推奨します。
自然に治るすきっ歯と、治療が必要なすきっ歯の違い
「成長で治るすきっ歯」と「治療が必要なすきっ歯」は、次のように見分けられます。
チェックポイント | 自然に治る可能性あり | 矯正・処置が必要な可能性あり |
---|---|---|
年齢 | 5~7歳 | 8歳以降でも改善しない |
すき間の幅 | 1~2mm程度 | 3mm以上・舌が入る |
上唇小帯 | 太くない/正常位置 | 歯間に入り込んでいる |
習癖 | 特になし | 舌突出・指しゃぶりあり |
永久歯の位置 | 正しく生えてきている | ねじれ・ズレあり |
あくまで目安ですが、小学校低学年のうちに一度、小児歯科で診てもらうことで、将来のリスクを早期に把握することができます。
小児歯科での診断内容と対応
当院では以下のような視点から、すきっ歯の原因と必要な処置の有無を丁寧に診断します。
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視診・触診で小帯や癖のチェック
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レントゲン撮影で永久歯の位置や骨格バランスを確認
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必要に応じて経過観察・小帯切除・矯正相談を実施
すべてのお子さまに矯正が必要なわけではありません。「今すぐ治療が必要か、自然に経過を見てよいか」を見極めることが重要です。
小児矯正は何歳から始めるべき?
一般的には、6〜9歳ごろの「前歯と奥歯が永久歯に生え変わる時期」が、矯正相談の第一段階に適しています。
この時期は、顎の成長を利用した「第一期矯正(予防的矯正)」が可能で、将来の本格矯正が不要になることもあります。
アクシア中野デンタルクリニックでは、中野エリアの矯正専門クリニックと連携して、必要に応じたご紹介や説明も行っております。
放置によるリスクと早期相談のメリット
すきっ歯を放置すると以下のような問題が起こる可能性があります。
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発音が不明瞭になる(特にサ行・タ行)
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食べ物が前歯でうまく噛めない
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永久歯の並びが乱れやすくなる
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見た目へのコンプレックスが形成される
逆に、早期に診断・経過観察することで、無駄な矯正や処置を避けられることも多いのです。
まとめ|気になるすきっ歯、まずは小児歯科へ相談を
「そのうち治るだろう」と思っているうちに、永久歯が予想外の位置に生えてしまう…
そんなケースを多く見てきました。
子どものすきっ歯は、「自然な発育」か「要対応のサイン」かをしっかり見極めることが大切です。
アクシア中野デンタルクリニックでは、お子さまの状態を丁寧に確認し、ご家族のご希望も踏まえて適切な方針をご提案しています。
中野駅南口から徒歩3分。平日・土日も診療可、小児歯科対応。気になる方はお気軽にご相談ください。