赤ちゃんの口は無菌ではない
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯の原因菌であるミュータンス菌はいません。
しかし、成長するにつれて周囲の大人から唾液を介して菌がうつっていきます。
特に「乳歯が生える頃(生後6か月前後)」からは、お口の環境づくりがとても重要になります。
授乳と虫歯リスク
-
母乳やミルクそのものは原因ではない
授乳自体で虫歯になるわけではありません。
しかし、夜間授乳のあとに口腔ケアをせずに眠る習慣が長く続くと、虫歯のリスクが高まります。 -
哺乳瓶の使い方に注意
哺乳瓶をくわえたまま寝かせたり、甘い飲み物を入れることは「哺乳瓶う蝕」の原因となります。
乳歯が生える前からできるケア
-
口周りのマッサージ
ガーゼで頬や唇を優しくふく、口を触られることに慣れさせることで、将来の仕上げ磨きがスムーズになります。 -
歯が生え始めたらガーゼ磨き
下の前歯が生え始めたら、授乳後に濡れたガーゼで優しく拭ってあげましょう。 -
歯ブラシへの移行
1歳前後になったら、赤ちゃん用歯ブラシを「おもちゃ代わり」に持たせて慣れさせます。最初は遊び感覚で大丈夫です。
おやつと食習慣の工夫
-
甘いお菓子やジュースはできるだけ遅らせて導入
※乳幼児期のおやつは間食ではなく補食です。
甘いものを与える時間ではなく、1回の食事で補えない栄養摂取の大切な時間です。
市販のお菓子ではなく、野菜や果物・穀物をつかった献立にしましょう。 -
おやつは「時間」と「量」を決めてだらだら食べを避ける
-
水やお茶を習慣づけ、ジュースは特別な時だけに
※濃い味に最初から慣れてしまうと味覚が育ちにくくなります。
親御さんができるサポート
-
仕上げ磨きの習慣化
2歳前後からは毎晩の仕上げ磨きを徹底することが大切です。
短時間でも毎日歯磨きをする習慣づけをしましょう。 -
歯科医院でのフッ素塗布
定期的なフッ素塗布は、乳歯を虫歯から守る最も有効な方法の一つです。
歯科医院では高濃度のフッ素を塗布することができます。
ご自宅では、うがいができない時期は、ジェルタイプ(うがいが必要ありません)のフッ素含有歯磨剤の使用を推奨します。 -
健診の活用
中野区では「1歳半健診」「3歳児健診」などで歯科チェックがありますが、それ以外でも気になることがあれば早めに歯科医院に相談してください。
アクシア中野デンタルクリニックでは、1歳半健診をきっかけに、2~3か月ごとの受診を推奨しています。
まとめ(赤ちゃん編)
授乳期は「お口の健康習慣をスタートさせるチャンス」です。
母乳やミルクが悪いのではなく、飲んだ後にどうケアするか、どう習慣化するかが大切です。
お母さん・お父さんが「赤ちゃんの口を守る最初の歯科医」となって、健やかな口腔環境を整えてあげましょう。
あわせてこちらもおすすめ