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歯のクリーニングを受けたあと、「冷たいものがしみる」「歯の表面がザラザラする」などの違和感を感じたことはありませんか?
これらの症状は、必ずしも異常やトラブルとは限らず、クリーニング後の一時的な変化であることが多いです。
本記事では、歯のクリーニング後に現れる「しみる」「ざらつく」症状の原因と対処法、注意すべきケースについて、歯科医師が解説します。
そもそも歯のクリーニングとは?
歯のクリーニングとは、歯に付着した歯石やプラーク(歯垢)、着色汚れ(ステイン)を専用の機器を使って取り除く処置のことです。
保険診療で行われるクリーニング(スケーリング)と、自費診療でのエアフローなどがあります。
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歯石:硬く固まった細菌のかたまり。歯周病の原因にも。
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プラーク:歯の表面に付く細菌膜。虫歯や口臭の原因。
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ステイン:コーヒーやお茶などによる着色汚れ。
【症状①】クリーニング後に「しみる」のはなぜ?
主な原因:象牙質が露出するため
歯の根元には、象牙質という刺激に敏感な組織があり、歯石を除去することでそこが一時的に露出することがあります。
これにより、冷たい水や風がしみる「知覚過敏」のような症状が起こることがあります。
多くの場合は一時的
この「しみる」症状は、ほとんどの場合、数日〜1週間程度で自然に軽減します。
対処法・ホームケアのコツ
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冷たい飲食物は避け、常温の水を中心に
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知覚過敏用の歯磨き粉(硝酸カリウム・乳酸アルミニウム配合)を使用
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歯ブラシはやわらかめを選び、力を入れすぎず磨く
【症状②】歯が「ざらざらする」「舌触りが変わった」原因は?
クリーニング後に、
「前よりザラザラしてる?」「表面がツルツルじゃない」
と感じる方もいますが、これは「汚れが取れたからこその変化」である場合がほとんどです。
理由
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それまで歯石やステインで覆われていた歯面が露出し、逆に本来の歯の質感がわかるようになった
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一部の歯に細かい凸凹やエナメル質の摩耗があったことに気づいた
対処法:
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1週間程度で違和感は慣れていくことが多い
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気になる場合はポリッシング(仕上げ磨き)を追加することで改善できる場合も
【症状③】歯ぐきがピリピリ・出血した場合は?
クリーニング時に歯ぐきのポケット周辺を触れることで、歯ぐきが刺激を受け、少し痛んだり出血したりすることがあります。
これは歯周病初期や炎症があったサインでもあります。
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通常は1〜2日で落ち着きます
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ブラッシングは続けてOKですが、強く磨かず、優しく丁寧に
【要注意】すぐに歯科医院に連絡すべきケース
以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院へご連絡ください。
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しみる症状が1週間以上続く・悪化する
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じっとしていてもズキズキ痛む
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かぶせ物や詰め物が取れた・浮いた
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出血が数日続いて止まらない
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噛んだときに強い痛みが出る
→ これらは虫歯・歯根の問題・神経の炎症など別の原因がある可能性があります。
ホームケアで「知覚過敏になりにくい磨き方」とは?
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歯ブラシは「ふつう〜やわらかめ」を選ぶ
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力を入れすぎず、小刻みに優しく動かす
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磨く時間より「丁寧さ・順番」を意識
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歯と歯の間や歯ぐきの境目を意識する
※力の入れすぎによる「歯の摩耗」も知覚過敏の原因になります。
アクシア中野デンタルクリニックでの対応
当院では、初めてクリーニングを受ける方にも安心していただけるように、
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治療中の画像説明(口腔内カメラ)
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処置後の起こりやすい症状の説明
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ご自宅でのケア方法のアドバイス
を丁寧に行っています。
また、必要に応じて知覚過敏抑制剤の塗布や、刺激を抑えたクリーニング機材の使用も可能です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
まとめ
歯のクリーニング後に「しみる」「ざらつく」「違和感がある」といった症状は、
一時的なものであることが多く、過度に心配する必要はありません。
むしろ、これをきっかけにご自身の歯や歯ぐきの状態に気づき、日頃のケアを見直すことが健康維持につながります。
定期的なクリーニングと適切なホームケアで、虫歯や歯周病を未然に防ぎ、気持ちの良いお口の状態を保ちましょう。