目次
高齢者に多い「噛みにくさ」の背景
加齢とともに、次のような理由で「噛みにくい」「食べにくい」という訴えが増えていきます。
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歯の欠損や入れ歯の不適合
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歯周病による歯のぐらつき
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唾液量の減少(口腔乾燥)
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咀嚼筋・舌の筋力低下
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神経疾患や加齢による嚥下機能の低下
このような変化があると、食事の量や内容が偏り、低栄養につながるリスクが高まります。
低栄養になるとどうなる?
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筋力や体力の低下 → 転倒や寝たきりのリスク増加
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免疫力の低下 → 感染症にかかりやすくなる
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認知症の進行に影響する可能性も
つまり「噛めない・食べられない」は単なる口の問題ではなく、生活全体の質(QOL)に直結する課題なのです。
ご家族にできるサポート
食事面
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やわらかいだけでなく「適度な噛みごたえのある食材」を工夫する
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豆腐、卵、魚、鶏肉などタンパク質を意識して摂取
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栄養補助食品やミキサー食も活用
環境づくり
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入れ歯を外さずに食事できるよう調整する
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姿勢を正して、むせにくい食べ方をサポート
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食事にかける時間をゆっくり確保する
歯科でできるサポート
入れ歯の調整・作製
合わない入れ歯は「噛めない」だけでなく「痛みで食べる気がしない」「食欲不振」の原因にもなります。
定期的なチェックで快適に使えるよう調整します。
口腔機能低下症の予防・改善
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咀嚼力や舌の動きをチェック
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簡単な口腔リハビリや舌・頬のストレッチを指導
予防ケア
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歯周病やむし歯を早期に治療
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口腔乾燥対策やクリーニングで「食べやすい口腔環境」を保つ
よくある質問(Q&A形式)
Q1. 入れ歯を嫌がる親がいます。どうしたらいいですか?
A. 「痛い」「外れる」など不快感が原因かもしれません。調整や作り直しで改善できることが多いです。
入れ歯の専門的な知識のある歯科医師にご相談ください。
ご相談のご予約はお電話、またはネット予約が便利です。
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Q2. 噛む力が弱くても栄養はとれますか?
A. やわらかい調理法や補助食品を使えば可能ですが、歯科でのケアを組み合わせるとより安心です。
Q3. どのくらいの間隔で受診すればよいですか?
A. 入れ歯を使っている方やご高齢の方は、3か月に1回程度のチェックをおすすめします。
当院からのメッセージ
高齢期のお口の健康は、食べる喜びと全身の健康を守るカギです。
「食べにくい」「入れ歯が合わない」と感じたら、早めにご相談ください。