歯科治療の際に「麻酔がちゃんと効くか不安」「以前の治療で痛かった」というご経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
アクシア中野デンタルクリニックでは、そのような不安に少しでも寄り添えるよう、
患者さまの症状や治療内容に応じて麻酔薬を使い分ける工夫を行っています。
当院では主に以下の2種類の局所麻酔薬を導入しています。
リドカイン製剤(キシロカイン)
キシロカインは、長年にわたって安全性と効果が実証されている、もっとも標準的な歯科用の局所麻酔薬です。
多くの歯科医院で使用されており、基本的な処置(虫歯治療、歯周処置、抜歯など)に幅広く対応できます。
比較的効き始めまでに3~5分程度かかりますが、持続時間が安定しており、しっかりとした麻酔効果が得られます。
上顎の歯や、炎症のない部位など、麻酔の浸透が比較的スムーズな症例では、この麻酔薬で十分な効果が見込めます。
アートカイン製剤(セプトカイン)
一方で、当院ではもう一つの選択肢として「セプトカイン」という麻酔薬も導入しています。
セプトカイン(正式には「アートカイン塩酸塩・エピネフリン含有製剤」)は、
近年日本でも使用が認められた新しいタイプの麻酔薬で、以下のような特長があります。
効き目が早く、浸透性が高い
セプトカインは神経への浸透が速く、注射後1~2分程度で効果が現れると言われています。
特に骨の硬い部位(例:下顎臼歯部など)でも浸潤麻酔で十分な効果が得られやすいのが大きな特長です。
しびれが長引きにくい
また、肝臓だけでなく血中でも代謝されるため、比較的しびれが早く抜ける傾向があります。
「治療後に口のしびれがずっと残って不快だった」というご経験がある方にも、快適にお帰りいただきやすい麻酔薬です。
麻酔の使い分けは、どのように判断するの?
当院では、以下のようなケースでセプトカインを使用することがあります。
-
下顎の奥歯など、骨が硬く通常の麻酔が効きにくい部位
-
歯周炎や根の炎症など、患部に強い刺激がある症例
-
「以前麻酔が効きにくかった」「治療中に痛みを感じやすい」といった既往のある患者さま
-
できるだけ短時間でしっかり効かせたい場合
-
小児やご高齢の方で、伝達麻酔を避けたいケース
逆に、処置が比較的軽度な場合や、上顎前歯など麻酔の浸透が良い部位では、キシロカインで十分なことも多くあります。
患者さまの状態や治療内容に応じて、「効かせたい部位に、確実に、最小限の量で、しっかり効かせる」ことを重視して選択しています。
患者さまへの負担を減らすために
当院がこのように複数の麻酔薬を導入している理由はただ一つ、
「できるだけ痛みや不安を少なくし、快適に治療を受けていただきたい」という思いからです。
麻酔の感じ方には個人差があるため、全ての方に万能な方法は存在しません。
だからこそ、私たちは薬剤や方法に選択肢を持ち、患者さまに合った麻酔方法を選べることを大切にしています。
「麻酔が心配…」「痛みが苦手で…」という方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
初めての方でも安心していただけるよう、説明と工夫をしっかり行ったうえで、治療にのぞんでいただけます。
最後に
麻酔がしっかり効くことで、治療中の不安やストレスは大きく軽減されます。
当院では、治療内容だけでなく、その「治療体験そのもの」も快適にすることを大切にしています。
今後も、より良い診療のために設備・技術の更新を重ねながら、患者さま一人ひとりに寄り添った診療を続けてまいります。
ご質問や不安なことがあれば、いつでもスタッフまでお声がけください。